経験から先に結論を申し上げておきます。

メニュー構成で失敗しないためには

「自分の作りたい物よりお客様が求める物を提供する」

なかなか難しい事です。

特に開業当初からこの結論にたどり着くのは不可能に近いと思います。

しかし、これが結構大事なんです。

はじめに

「憧れのカフェをオープンしたい!でも、どうすれば利益が出るメニューを作れるの?」

カフェ開業を目指す際、誰もが直面するのが「メニュー構成と収益性」の壁です。

こんにちは、カフェオーナーとして11年のキャリアを持つたかひろです。

最初にお客様が求める物を提供した方が良いと言いましたが、今回はそれと併せて新規オープン時に陥りがちな「パフェの罠」を例に、赤字を出さないための具体的な対策も一緒に解説します。


1. カフェ経営の成否を決める「2つの重要指標」

メニューを考える際、何を作ろうか、どんな料理でお客様に喜んでもらおうか、写真映えするメニューをたくさん作りたい、などなど考えるだけでワクワクしますよね。

もちろんそれもモチベーションという意味では重要です。しかしそれ以上に重要なのが以下の2点です。

  • ・収益性の確保: その料理でお店を維持できるか
  • ここに来てくれるお客様の好み:このあたりのお客様は何を求めてるか
「収益性の確保」

  おいしいものを安く提供したい、という気持ちは皆持っているはず。 

  しかしそれだけではお店は成り立たないですよね。

  ある程度年齢が行き、外食に行くと「ここ、豪華な食材を使っていたり量が多いのにこの値段で提供して果たしてやっていけるのだろうか?」なんて思った事ありませんか?

  それには色々カラクリがありますがここでは割愛します。

  そのメニューに収益性の確保が出来るかどうかは原価と売価のバランスによります。

  原価が売価を上回ると、当然赤字ですよね。収益性の確保というのはそういう事です。

「ここに来てくれるお客様の好み」

  例えば「このパンケーキすごくおいしい!甘みもしっかりある生クリームだし、かけていチョコも濃厚で、生地にも味がしっかりついてる。甘党には絶対ウケる」

  こう思って提供したは良いがイマイチ売れ行きは悪い。

  なぜか。そこにくるお客様の大半は「甘いのが苦手」だったから。でもここで諦めるのは早いです。それに気づいた時、修正できるかどうか。ここで自分の作りたい物、もしくはこれは売れると思った物を捨てて「ここに来てくれるお客様の好みに合わせる事」が出来るか?ポイントになります。私も幾度となくこの作業を繰り返し、今に至ります。

さて、もう少し深掘りする前に利益の基本的な構造について理解しておきます。

利益の仕組み(基本の計算式)

経営を安定させるには、まず「利益」の構造を正しく理解する必要があります。

  1. 粗利益=売上ー原価
  2. 営業利益=粗利益ー販管費(人件費、水光熱費など)

どれだけ売上があっても、この「粗利益」が残らなければ、お店はあっという間に資金ショートしてしまいます。

逆に言うと粗利益にこだわることで経営が安定します。原価をコントロールし粗利益を0.1%でも改善する行動は、ちょっとした職人芸のような感じです。

↓利益に関してこんな記事も書いています。あわせてどうぞ。

カフェ経営11年の経験から利益を出す経営術を解説する記事のアイキャッチ画像
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2. 実例①:なぜ「映えるフルーツパフェ」で大赤字になるのか?

例えば、1個1,000円(原価400円)のフルーツたっぷりパフェをメインにしたとしましょう。

項目目標(4日間)実績(4日間)
販売数40個17個
売上40,000円17,000円
仕入原価16,000円16,000円(※全量仕入れた場合)
粗利益23,000円1,000円

実際にパフェを作って比較することは出来ないので表にまとめてみました。

先程言った「粗利益」に注目してください。目標に対して、実績が弱い。これは原価コントロールのミスです。

仕入れをもう少し細かくするとまた少し違いますが、それでも食材ロスは結構出ちゃいます。

もちろん売上目標をしっかり達成出来れば良いですが、特に開店当初は客数も安定せず、なかなかうまくいきません。

その中で大半のフルーツは足が早い(鮮度が落ちやすい)ため、売れ残るとすべて食材ロスになります。つまり捨てるんです。

目標に対して販売が少し下振れるだけで、粗利益がほぼゼロになるという恐怖のシナリオです。

これじゃあ先程重要と言った「収益性の確保」は難しくなります。


利益を最大化する「2つの原価対策」

「売り逃し」を防ぎつつ、廃棄ロスを最小限にするには、以下の戦略が有効です。

① レシピのハイブリッド化

フレッシュフルーツだけで構成せず、冷凍フルーツや自家製ソース、コンポートを組み合わせます。

  • メリット: 保存性が高まり、廃棄リスクを劇的に抑えられます。

② 販売形態の制限

「いつでも出せる」状態をあえて作らず、1日の販売数限定完全予約制にします。

  • メリット: 必要な分だけ仕入れられるため、原価(粗利益)を完全にコントロールできます。

③1つの食材を2個以上のメニューで使用する

イチゴを使ったパフェを作った場合、そのイチゴパフェがでないと食材ロスが増え粗利益が少なくなります。

なのでイチゴミルクやミニサイズのパフェを同時提供します。

  • メリット:食材ロスが減るだけでなく、メニューも豊富になり相乗効果が生まれる。

↓原価率に関してはこちらの記事もあわせてどうぞ。

カフェの原価率の目安は何%?30%と40%の違いと飲食店の価格設定
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3.実例②:なぜお客様の好みに合わせなきゃいけないのか

これはチェーン店時代や独立してからの経験上、言える結論があります。

その地域で味の好みが違う

チェーン店時代は他店へのヘルプもそこそこあり、色んな地域へ行きました。

その中でもコーヒーの好みが地域によって全然違いました。

とある地域ではほとんどのお客様がアメリカンを頼む。つまり濃いコーヒーは飲まない、という事。

味だけではありません。とある地域ではドリンクを飲まず食事だけを食べるお客様が多い。つまりカフェを定食屋やラーメン屋などを同じ目線で見ているお客様が多い、という事。

もちろん、今私が経営しているお店のお客様にも「辛いのが苦手」「名前からイメージしやすいメニューを多く頼む」という2つの特徴があります。

これは日々お客様の頼むメニューを研究したり、直接会話を交わし好みを聞き出して辿り着いた大きな情報です。


4. まとめ:理想と数字のバランスが「長く続く店」を作る

粗利益を追求しすぎると、料理の質が落ち、お客様は離れてしまいます。

逆に、理想だけを追えば経営が破綻します。

  • 一品ごとの原価を把握する
  • メニュー全体の「合計粗利」で調整する
  • お客様の注文状況の把握と、コミュニケーションを取り情報を蓄積する

この微調整を繰り返すことが、カフェ経営を10年、20年と続けていく唯一の道です。