カフェを経営していると、「原価率って何%が正解なの?」と悩みますよね。

原価率が高すぎると利益が出ない。でも、原価率を抑えすぎると、料理のクオリティが下がってお客さんが来なくなる。

私もカフェを開業したばかりの頃、原価率の設定で失敗して、売上が100万円あっても手元に残るお金がほとんどない、という状況に陥りました。

この記事では、11年間カフェを経営してきた私が、カフェの適正な原価率と、利益を残すための原価管理術を実体験をもとに解説します。


カフェの原価率は何%が適正?

結論から言うと、カフェの原価率は20〜30%が適正です。

ただし、これはあくまで「目安」であって、カフェのコンセプトやメニュー構成によって変わります。

業種別の原価率(2025年最新データ)

業種平均原価率
カフェ20〜30%
居酒屋25〜40%
ラーメン店30%前後
レストラン30〜35%
ファストフード25〜30%

カフェのメニュー別原価率

メニュー原価率
コーヒー10〜20%
ラテ・カプチーノ15〜25%
フード(パスタ・サンドイッチ)20〜30%
デザート(ケーキ・スイーツ)25〜35%

ポイント:

  • コーヒーの原価率が一番低い(10〜20%)
  • だから、カフェはコーヒーで儲けるビジネスモデル
  • フードやデザートの原価率が高くても、ドリンクで利益を出せる

原価率の計算方法(基本編)

まずは、基本的な原価率の計算方法を確認しましょう。

原価率の計算式

原価率(%)= 原価 ÷ 販売価格 × 100

例1:コーヒー

  • 原価:50円(豆、紙カップ、砂糖、ミルク)
  • 販売価格:400円
  • 原価率:50円 ÷ 400円 × 100 = 12.5%

例2:パスタ

  • 原価:180円(麺、具材、調味料)
  • 販売価格:800円
  • 原価率:180円 ÷ 800円 × 100 = 22.5%

原価率だけじゃダメ!FLコストで考える

実は、原価率だけ見ても利益は出ません。

カフェ経営では、「FLコスト」という考え方が重要です。

FLコストとは?

FLコスト = F(Food:原材料費)+ L(Labor:人件費)

飲食業界の常識:

  • FLコストは55〜60%以内に抑える
  • これを超えると、利益が出にくくなる

例:

  • 原材料費(F):30%
  • 人件費(L):28%
  • 合計:58% → OK!
  • 原材料費(F):35%
  • 人件費(L):30%
  • 合計:65% → やばい!

原価率が高くなる3つの原因

私も開業当初、原価率が35%を超えて、利益がほとんど出ない時期がありました。

原価率が高くなる原因は、大きく3つです。

原因1:食材ロスが多い

食材ロス(廃棄)が増えると、原価率が上がります。

食材ロス率の目安:

  • 理想:5%以下
  • 要注意:10%以上

私の失敗談: 開業当初、ケーキを作りすぎて毎日2〜3個廃棄していました。これで原価率が5%も上がっていたんです。

対策:

  • 在庫管理を徹底する
  • 賞味期限の短い食材は少なめに発注
  • 売れ筋メニューを分析して、仕込み量を調整

原因2:販売価格が安すぎる

原価率を下げる一番簡単な方法は、販売価格を上げることです。

例:

  • 原価180円のパスタを700円で販売 → 原価率25.7%
  • 原価180円のパスタを800円で販売 → 原価率22.5%

たった100円値上げするだけで、原価率が3%下がります。

原因3:消耗品のコストを計算していない

よくある失敗: 食材の原価だけ計算して、消耗品のコストを忘れてる。

忘れがちな原価:

  • 紙カップ・蓋・スリーブ:1杯あたり20〜30円
  • ナプキン・おしぼり:1杯あたり5〜10円
  • ストロー・マドラー:1杯あたり3〜5円

これらを合計すると、1杯あたり30〜40円になります。

つまり、食材原価50円のコーヒーでも、実際の原価は80〜90円ということです。


原価率を抑えて利益を出す5つのコツ

11年間の経営で学んだ、原価率を抑えて利益を出すコツをお伝えします。

コツ1:ドリンクの比率を上げる

コーヒーの原価率は10〜20%と低いので、ドリンクの販売比率を上げれば、利益率が上がります。

具体的な方法:

  • ワンドリンク制にする
  • 季節限定ドリンクを強く訴求する
  • 「ランチ+ドリンクセット」を推奨

私の実例: ワンドリンク制を導入してから、ドリンクの販売比率が40% → 60%に増加。全体の原価率が28% → 24%に下がりました。

コツ2:メニューごとに原価率を変える

すべてのメニューを原価率30%にする必要はありません。

戦略的な原価率設定:

  • コーヒー:10〜15%(低原価で稼ぐ)
  • ランチ:25〜30%(集客メニュー)
  • デザート:30〜35%(高原価でもOK)

ポイント: ランチやデザートの原価率が高くても、コーヒーで利益を出せればOK。

コツ3:原価率の計算に消耗品を含める

食材だけでなく、消耗品のコストも含めて原価率を計算しましょう。

私のやり方:

  1. 食材の原価を計算
  2. 消耗品のコスト(30〜40円)を加算
  3. 合計原価を販売価格で割る
  4. さらに3〜5%上乗せして販売価格を決定

例:

  • 食材原価:50円
  • 消耗品:30円
  • 合計原価:80円
  • 販売価格(原価率20%で計算):80円 ÷ 0.2 = 400円
  • 最終販売価格(5%上乗せ):420円

コツ4:在庫管理を徹底する

在庫管理ができてないと、食材ロスが増えて原価率が上がります。

私が実践してること:

  • 賞味期限を毎日チェック
  • 売れ筋メニューを分析(週1回)
  • 発注量を調整(売れ筋は多めに、売れないものは少なめに)

これで食材ロス率が10% → 3%に減少しました。

コツ5:仕入れ先を見直す

同じ食材でも、仕入れ先を変えるだけで原価が下がることがあります。

私の経験: コーヒー豆の仕入れ先を変えたら、1kgあたり500円安くなった。これで年間6万円のコストダウンができました。

仕入れ先を見直すポイント:

  • 業務用スーパーと業者を比較
  • まとめ買いで単価を下げる
  • 複数の業者から相見積もりを取る

原価率よりも「粗利益」を見る

原価率を気にしすぎて、本質を見失ってはいけません。

重要なのは、原価率ではなく「粗利益」です。

粗利益とは?

粗利益 = 売上 - 原価

例1:原価率30%のカフェ

  • 売上:100万円
  • 原価:30万円
  • 粗利益:70万円

例2:原価率25%のカフェ

  • 売上:80万円
  • 原価:20万円
  • 粗利益:60万円

原価率が低くても、売上が少なければ粗利益も少ない。

だから、原価率だけを見るのではなく、粗利益(利益額)を見ましょう。


原価率を下げすぎると起こる悪循環

「原価率を下げれば利益が出る」と思って、食材をケチると、こんな悪循環に陥ります。

原価を下げる
↓
料理のクオリティが下がる
↓
お客さんが来なくなる
↓
売上が減る
↓
利益が減る

私も経験しました。

開業2年目、原価率を25%まで下げようとして、パスタの具材を減らしたら、お客さんから「前より少なくなった」とクレームが来ました。

そこから売上が月10万円減少。結局、元の量に戻しました。

教訓: 原価率を下げすぎると、クオリティが下がって逆効果。


カフェ経営で重要な「利益率」の目安

原価率だけでなく、「利益率」も把握しましょう。

利益率の計算式

利益率(%)= 純利益 ÷ 売上 × 100

カフェの利益率の目安:

  • 理想:10〜20%
  • 現実:5〜10%
  • 厳しい:5%以下

例:

  • 売上:100万円
  • 原価:25万円
  • 人件費:30万円
  • 家賃・光熱費・その他:35万円
  • 純利益:10万円
  • 利益率:10%

原価管理に役立つツール

原価管理を効率化するには、ツールを使いましょう。

会計ソフト

売上や経費を自動で集計できます。

カフェ開業オーナーが実際に使って比較!freee・弥生・マネーフォワードどれがいい?

POSレジアプリ

売上データを自動で分析できます。

カフェにエアレジをおすすめする5つの理由

エアレジなら:

  • 商品別売上が自動集計
  • 時間帯別売上が分かる
  • 売れ筋メニューが一目で分かる

これで原価率の高いメニュー、低いメニューが一目瞭然です。


まとめ:原価率は20〜30%、でも利益額を見よう

カフェの原価率の適正値:20〜30%

でも、もっと重要なのは:

  • FLコスト(原材料費+人件費)を55〜60%以内に抑える
  • 原価率よりも粗利益(利益額)を見る
  • 原価率を下げすぎない(クオリティが下がる)

原価管理のポイント:

  1. ドリンクの比率を上げる(コーヒーで稼ぐ)
  2. メニューごとに原価率を変える
  3. 消耗品のコストも計算に入れる
  4. 在庫管理を徹底してロス率を5%以下に
  5. 仕入れ先を見直す

原価管理は地味ですが、利益に直結する大事な仕事です。

あなたのカフェが利益の出る店になりますように。応援しています!


よくある質問(FAQ)

Q1. カフェの原価率は何%が理想ですか?

A. 20〜30%が理想です。ただし、コーヒーは10〜20%、フードは20〜30%と、メニューによって変えるのがポイントです。

Q2. 原価率を下げる一番簡単な方法は?

A. 販売価格を上げることです。たった50〜100円値上げするだけで、原価率が2〜3%下がります。

Q3. 原価に何を含めればいいですか?

A. 食材だけでなく、紙カップ、ナプキン、ストローなどの消耗品も含めましょう。これらを忘れると、原価率が実際より低く見えてしまいます。

Q4. 原価率30%以上は高すぎますか?

A. カフェ全体で30%なら問題ありませんが、35%を超えると利益が出にくくなります。メニュー構成を見直しましょう。

Q5. 原価率とFLコストの違いは?

A. 原価率は原材料費だけですが、FLコストは原材料費+人件費です。FLコストを55〜60%以内に抑えることが重要です。

Q6. 食材ロスを減らすにはどうすればいいですか?

A. 在庫管理を徹底し、賞味期限の短い食材は少なめに発注しましょう。売れ筋メニューを分析して、仕込み量を調整することも大事です。

Q7. 原価管理におすすめのツールは?

A. POSレジアプリ(エアレジなど)と会計ソフト(freee、弥生など)を使えば、売上や経費を自動で集計できます。